沖縄の新世代楽器サンレレ。
そのハイエンドモデル「サンレレ琉球パインK1 」を生み出す弦楽器工房
沖縄県中部に位置する、うるま市石川。
地元でも有名な、昼は定食屋、夜は居酒屋を営むお店がある。
「喜食 てんてん」。
そんなお店の敷地内に存在する楽器工房。
沖縄の新世代楽器「サンレレ」のハイエンドモデル「サンレレ琉球パインK1」が生まれる場所、「弦楽器工房Storm」である。
代表で職人の喜舎場健太さんが妻の春香さんと共に2020年に設立した。
真新しい工房内には製作途中のサンレレがズラッと吊されており、
木材の香りと、レコードプレーヤーから流れるジャズミュージックが
なんとも言えぬ安心感と温もりを感じさせる。
そんな空間で製作されるサンレレ琉球パインK1。
職人の健太さんが語ってくれた。
「18歳から20歳まで愛知県の中部技術専門学校のギターコースで楽器製作を学びました。
卒業後は沖縄で楽器店や、その他の職種の仕事をいくつか経験して2010年に
サンレレの開発、販売をしているマチダヤコーポレーション(現 MACHIDAYA)に勤めることになりました。」
そこから約9年間喜舎場さんはMACHIDAYAにて様々な楽器を製作をすることとなる。
「MACHIDAYAで製作した楽器は、サンレレの他シガーボックスギター、シガーボックスバイオリン、
またその環境から沖縄三線、カンカラ三線の修理、製作作業にも携わりました。
三線関連の作業は、専門学校では無かった古典楽器のノウハウに触れる貴重な機会になりました」
そしてコロナウイルスが猛威を振るい激動の年となった2020年、自社工房を設立する。
「やはりMACHIDAYAさんにいた頃と比べて色々な面で変化がありました。
工具や、機械を一から揃えなくてはいけなかったのは大変でした。
ただ、自社工房を持ったことでサンレレの製作に集中できる用になり、自分の好きなように時間が使え、
製作の中で色々と試行錯誤もできるようになり、より理想を追求した楽器作りができるようになりました」
サンレレK1の製作におけるこだわりや、苦労についてもうかがった。
そして今後の展望について。
「価格を抑えながらも本格的な楽器として機能し、長く使っていける楽器にしたい。
そこは苦労でもあり、こだわりでもある。
また、ここ沖縄は年中湿度が高く、楽器に使用する木材も大きく影響を受けます
楽器製作で使用する木材の管理、材それぞれに合わせての加工にこだわり、
地域特性と上手く付き合った楽器作りをしたいと考えています。
そしてサンレレK1は、
サンレレエントリーモデルの海遊びと比べてもプロの演奏家や、
楽器好きの方にも他の楽器と同じように主戦場で使ってもらえると自信があります。
今後多くの場面でサンレレK1の音色が聴こえてくるよう製作する側の私たちも
こだわりを持って頑張っていきたいと思います」
「今後はサンレレ製作の工房として基盤を持ち、サンレレの更にハイエンドモデルや、
独自ブランドのウクレレやギターの製作も行いたいと考えています。
また、サンレレを製作していることで繋がりが持てた沖縄音楽業界の方々や、演奏家の方々、
沖縄県外の方々へも興味を持ってもらえるような地域特性を活かした楽器工房になることが目標です」